企画「大切なあの人へ手紙を届けましょう」より届いたお手紙をご紹介します。
今日のブログでは、お爺様へのお手紙を紹介したいと思います。
お爺ちゃんへ
本文: お爺ちゃん元気ですか?
私も30を過ぎたのでもうお爺ちゃんなんて言ってはいけない年齢なのかもしれないけれど、今日は私が子供の頃のようにお爺ちゃんって呼ばせてください。
お爺ちゃんが天国へ旅立ってもうすぐ15年になるね。
お爺ちゃんが危ないって状態になった時、私は高校の修学旅行で東京にいたんだよ。もしかしたらって話は聞いていて僕はお爺ちゃんのそばにいたいって言ったけど、父ちゃんや母ちゃんが修学旅行行けって言ったから東京に行ってたんだ。
あれは二日目の夜に携帯がなって母ちゃんから爺ちゃんが危篤状態になったって連絡があって帰るって言ったけど帰れなかった。みんな反対するからワガママ言えなかった。けどお爺ちゃんは僕が帰るまで頑張ってくれた。駅からすぐに病院言ってお爺ちゃん見たら涙が止まらなかったよ。覚えてる?最後に握った手が冷たくてまた泣いたよ。そしてお爺ちゃんは天国に行ったんだよね。
お医者さんからY君が帰るまで頑張ったんだよって言われてまた泣いたよ。お爺ちゃんが望んだ良い大学でて公務員になって幸せな家庭作れって所からはかけ離れた人生だけど毎日頑張ってるよ。
すぐにはいかないけどいつか天国へ僕が行った時お爺ちゃんがよく飲んでたウイスキー持ってくから楽しみにしていてね
差出人(Y 30代)
亡くなったお爺様との天国での再会を願う素敵なお手紙ですね。
仏教における天国は、極楽浄土です。
極楽浄土には須弥山(しゅみせん)と呼ばれる山があり、その山の頂きは有頂天(うちょうてん)と呼ばれます。どこかで聞いたような言葉ですね、私たちが普段使っている言葉の語源が仏教用語であるということは珍しくありません。仏教が古くからこの地に根付き、人々の生活に深く関係していたことがよくわかります。
須弥山の頂きにある有頂天には、仏教の神様や如来(にょらい)が暮らしています。如来というのは、悟りを開いた仏の尊称です。釈迦如来や阿弥陀如来など、ご本尊とされる仏は皆如来です。
ところで、一般に仏壇の中は階段のような構造になっていますね。階段の中の一番上の段は須弥壇(しゅみだん)といって、須弥山を模した段です。須弥壇にはそれぞれの宗派のご本尊を安置されていると思います。つまり、仏壇というのは極楽浄土を模したご本尊の住居なのです。だから、仏壇の中心に安置されているのはお位牌ではなくご本尊なのです。
浄土真宗ではお位牌を用いませんが、お位牌は須弥壇の一つ下の段に安置します。
これは、ご本尊の傍へ寄せていただく、ということです。
ご本尊である如来が住んでいるのは極楽浄土ですから、亡くなった方に往生して欲しいという願いが込められているのではないでしょうか。もちろん、お位牌がなくても、仏壇に手を合わせ、亡くなった方の往生を願うことで、極楽浄土への道は開かれます。
極楽浄土は蓮の花が咲き乱れ、黄金に輝く美しい世界であるとされています。いつか極楽浄土でお爺様と再会し、蓮の上でウイスキーを飲む日が来たら、須弥山を眺めながら、思い出話に花を咲かせてください。
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