「お墓を別の場所に移したいけれど、どんな手続きが必要かわからない」
「市役所で何を出せばいいのか、誰に頼めばいいのか不安」
改葬(かいそう)は人生の中でもそう何度も経験することではありません。手続きの内容が難しそうに感じる方が多いのも当然です。
実は、改葬は法律に基づいた正式な手続きであり、金沢市では「改葬許可申請」をしなければ遺骨を動かすことができません。
この記事では、金沢市で改葬許可申請をする際に必要な書類・流れ・期間・費用を、現場で多くの改葬に携わってきた専門家の視点でやさしく解説します。
この記事を読むことで、複雑に感じる改葬の手続きがスッキリ理解でき、後悔のない形でご先祖を移す準備が整います。
迷わず安心して改葬を進めるために、まずはこの記事で全体の流れを確認してください。
金沢市で改葬許可を取るには「市役所への申請」が必須

改葬は、遺骨を現在の墓地から別の墓地や納骨堂へ移す際に行う法的手続きです。
このとき、金沢市では改葬許可申請書を市民課へ提出し、許可証を発行してもらう必要があります。
なぜこの許可が必要なのかというと、墓地埋葬法によって「遺骨の移動には行政の許可が必須」と定められているためです。
許可を得ずに改葬を進めてしまうと、違法行為と見なされるおそれもあります。
つまり、改葬許可は「ご先祖を正しい手順で新しい場所にお迎えするための大切な手続き」です。
金沢市では市民課の生活衛生室が窓口になっており、郵送対応も行っています。
改葬許可申請には「3種類の書類」が必要|取得先と内容を確認
改葬許可申請には、次の3つの書類が必要です。
それぞれ取得先や発行元が異なるため、順番にそろえるとスムーズです。
| 書類名 | 内容 | 取得先 |
| 改葬許可申請書 | 市に提出する正式書類 | 金沢市役所 市民課 |
| 埋葬証明書 | 遺骨が確かに埋葬されていることを証明、現在の墓地・寺院(通常は申請書内の証明欄に記入) | 現在の墓地・寺院 |
| 受入証明書 | 新しい納骨先が受け入れを承諾した証明 | 新しい墓地・納骨堂 |
書類をそろえる順番は、新しい納骨先(受入証明)→現在の墓地(埋葬証明)→市役所申請の流れが基本です。
順番を逆にすると、証明書が発行できない場合があるため注意が必要です。
申請は郵送も可能|金沢市役所「市民課」での窓口手続きも対応
金沢市では、市民課の窓口または郵送のどちらでも申請が可能です。
忙しい人や遠方に住む人は郵送申請が便利です。
郵送での手続きでは、書類一式と返信用封筒(切手貼付・宛名記入)を同封します。
申請書は金沢市公式サイトからダウンロードできます。
記入欄には、亡くなった方の氏名・改葬先住所・改葬理由などを正確に記載します。
提出先:金沢市役所 市民課生活衛生室(〒920-8577 金沢市広坂1丁目1番1号)
*2025年10月現在
改葬許可証の発行まで「約1週間」が目安|余裕を持って申請を

改葬許可証は、書類に不備がなければ5〜7日ほどで発行されます。
ただし、郵送の場合は往復の郵送日数を考慮して10日前後の余裕を持つと安心です。
葬儀や納骨の日程が決まっている場合、早めの申請が重要です。
特にお盆や年末年始などは窓口が混み合うため、余裕をもった準備を心がけましょう。
金沢市の改葬許可申請は「手数料無料」|ただし証明書に費用がかかる場合も
金沢市での改葬許可申請は手数料が無料です。
しかし、寺院や霊園で発行される証明書には費用がかかる場合があります。
| 書類 | 発行費用の目安 | 備考 |
| 埋葬証明書 | 300〜1,000円 | 寺院や霊園により異なる |
| 受入証明書 | 無料〜500円 | 永代供養墓や納骨堂では無料の場合もあり |
費用は各施設の規定によって異なります。
証明書の発行を依頼する際は、あらかじめ費用の有無を確認しておくと安心です。
書類不備があると再提出が必要|よくあるミスと対処法
改葬許可申請でよくあるミスは以下の3つです。
- 改葬先住所が正式名称と異なっている
- 寺院名・墓地名の表記が間違っている
- 埋葬者氏名の旧字体・俗名が誤っている
これらのミスがあると、再申請が必要になり、発行が遅れてしまいます。
申請前にすべての証明書の名称・住所・漢字を照らし合わせて確認してください。
改葬許可後は「旧墓の閉眼供養」と「新墓の納骨」を行う
改葬許可証が届いたら、次に行うのは「閉眼供養(魂抜き)」です。
現在の墓地で供養を行い、遺骨を取り出してから新しい納骨先へ移動します。
新しい墓地や納骨堂では「開眼供養」や「納骨式」を行い、ご先祖を正式にお迎えします。
これらの儀式は宗派によって異なりますが、僧侶に相談しながら進めるのが安心です。
永代供養や納骨堂への改葬も増加中|金沢市では手続きが簡略化される場合も
近年、金沢市ではお墓の維持を続けることが難しい家庭が増え、永代供養墓や納骨堂への改葬が増えています。
これらの施設では、受入証明書を施設側が用意してくれるケースもあり、申請手続きが簡略化される場合があります。
特に金沢市中心部では、屋内型納骨堂を選ぶ人も多く、天候に左右されない点が好評です。
改葬の相談は寺院・霊園・行政窓口へ|専門家のサポートも検討を
改葬手続きは、書類のほかにも親族間の同意や宗教的な配慮が求められるため、個人で進めるのが不安な人も少なくありません。
そんなときは、寺院や霊園の管理者、または行政書士への相談が有効です。
専門家が書類作成から申請までを代行してくれる場合もあります。
まとめ|金沢市の改葬許可申請は「3つの書類+1週間の余裕」でスムーズに完了
金沢市での改葬許可申請は、
1️⃣ 改葬許可申請書
2️⃣ 埋葬証明書
3️⃣ 受入証明書
この3つをそろえ、1週間程度の余裕を持って進めることが大切です。
改葬は、亡き人を想う気持ちを形にする大切な時間です。
焦らず、関係者と相談しながら手続きを整えましょう。
不安がある場合は、市役所の市民課や寺院へ相談することで、安心して進めることができます。

