終活相談:熱心に終活する両親、詐欺に合わないか心配です。

終活に興味がある方から頂いた質問にお答えすることで、皆さんのお役に立てる情報をお届けします。

今回は、S.U.(20代・女性)から頂いた質問と終活を行うにあたってのヒントをお届けしたいと思います。

S.U.さんは、熱心に終活に励んでいらっしゃるご両親が、終活関連の悪質な業者に合わないかを心配されていらっしゃるようでした。

“60代前半の父と母が終活に取り組むようになって、一年と少しが経ちます。特に、老後の具体的な人生設計や、お墓の購入について興味を持っているようで、夫婦揃って各会社の説明を聞きに行くことが増えました。余計なお世話かもしれませんが、定年から数年が経ち、世間との交流が少なくなっているということもあり、終活に伴う詐欺などに合わないか、とても心配です。危険な目に合わないように、子供の立場から、どのようなアドバイスをすれば良いでしょうか”

こちらの質問について、赤坂野村総合法律事務所 パートナー弁護士の堤先生にお話を伺いました。

おばあちゃん

1.自分は大丈夫、自分は騙されない、高いプライドを持つ人ほど危ない

「近年、ご結婚などをされないライフスタイルをお送りになる方も多くなってきたこともあり、高齢者は人生経験豊かな為、自分は大丈夫自分は騙されない、という方が多くなっています」と堤先生。

悪質な業者はその油断を突いてくるところもあるそうです。家族など周囲の「見守り・気づき」が大事とはよく言われますが、常に見張っていることはできません。結局は、ご本人たちがご自身で防衛してもらうしかないのです。

それでも、子どもとしてできることは何?と思う方も多いでしょう。

「ご両親に、終活詐欺の手口・特徴具体的な予防策を教えて防衛意識を高めさせつつ、親の様子を見守って詐欺の予兆に気づいてあげることが大切です」と先生。さらに具体的な注意点について聞いてみました。

2.終活詐欺の手口・特徴とは?

悪質な業者は、どのように接触してくるのでしょうか?

「一般的には、セミナーの開催やポスティング、自宅訪問などを通じて接触してくることがおおいです。そして、カウンセリングを通じて信頼関係構築しつつ資産状況調査し、信頼を得たところで、不当に高額な契約・不要な契約を次々結ばされ、資産を吸い取っていくのです。」

接触の手口は、一般的な企業とさほど変わらない点もありそうです。不当・不要な契約の話が発足した際は、慎重にならないといけませんね。

では、具体的に、どのような分野で不当・不要な請求をしてくるのでしょうか。

「不要なリフォーム工事・太陽光パネル工事、不当に高額な墓、葬儀、高齢者施設利用契約など多岐にわたります。」

家のリフォームやお墓の準備、葬儀の準備などの中には、本当に必要な分野もあるかと思います。その場合は、信頼できる企業、寺院であるかをきちんと調べる必要があります。

心泉の終の場合は、過去信頼できる取引をさせていただいた業者のみをご紹介しております。また、永代供養墓を運営する法句寺は、歴史ある寺院である点など、皆さまに信頼いただいております。

3.終活詐欺の手口と被害防止の7か条

中には財産管理契約を結ばせ、資産を好き勝手に処分してしまう業者もおり、高齢者はプライドが邪魔してしまい、周囲に相談できず被害発覚が遅れてしまう傾向があるといいます。

また、一度だまし取られてしまうと回収はほぼ不可能だとか。どのように予防したらいいのか具体的施策を聞いてみました。

①セミナー主催者など業者名をインターネットで検索する

住所はきちんと掲載されているか、現場にスタッフはいるか、電話にはきちんと応対するか、公開されている活動は掲載されているか、メディアなどに掲載されているか、代表者の名前・経歴は公開されているか、など確認してみましょう。

②サービス内容の説明、契約内容の説明はきちんと書面してくれるか

堤先生曰く、「書面化を嫌がる業者は悪質業者と思ってください」とのこと。企業姿勢もきちんと確認しましょう。

③一人で決めない

家族や友人など信頼できる人に相談しながら実施しましょう

④即決しない

まずは、見積もりをとり、すぐに現金払いしないように気を付けましょう。なんと、詐欺被害の9割が現金即時払いだそうです。

⑤不安を感じたら消費者センターに相談を

少しでも疑問を感じたら家族・最寄りの消費生活センターなどに相談

⑥あらかじめ任意後見契約を結んでおく

判断能力が落ちたときに備えて任意後見契約を結ぶことも大切です。

⓻電話に自動通話録音装置を取り付けておく

いざという時のために備えて、録音しておくことも必要です。

4.家族ができる詐欺防止4か条

周囲が詐欺の予兆に気づく為に注意するポイントについても聞いてみました。

①自宅内に見慣れないパンフレットや書類がないか

②親が誰かと頻繁に電話していないか

③パソコンの検索履歴

④親に痴ほうらしき症状が出ていないか(出てきたら早めに病院へ)

「予防策は一例。だまし取られたらまず返ってこない。事前予防が大事。」とのこと。周囲とのコミュニケーションを大切にしましょうね。

心泉の終活では、信頼できる士業の紹介、業者の紹介を行っております。相続問題、お墓・お葬式の検討はお気軽にご相談ください。